【憲法】日本の二院制をわかりやすく解説!

本記事では

二院制について
衆議院と参議院の関係
衆議院の優先事項

以上について解説します。

目次
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国会の組織体系

luxstormによるPixabayからの画像

日本は二院制(両院制)

国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。

憲法第42条

42条にあるように、国会は、衆議院と参議院の2つの議院による合議体で構成されています。
この制度を二院制と呼びます。

ごり子

一院制は議院が1つだけの制度だよ。
中国や韓国は一院制だよ。

衆議院と参議院の違い

定数    任期解散被選挙権
衆議院4654年あり満25歳以上
参議院 2486年(3年ごとに半数改選)なし満30歳以上

二つある意義

  • 2回議論することで、案件を慎重に審理できる
  • 選出方法を変えることで、多様な民意を反映できる
  • 議会の専制を抑止できる
  • 議院と政府との衝突を緩和できる
ごり子

意義はあるといっても形式的になりつつあると、批判もされているよ

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衆議院と参議院の関係

両院同時活動の原則

同時活動の原則とは、両院は同時に開会し、同時に閉会するということです。
衆議院は開会、参議院は閉会中ということはありません。

例外:緊急集会

衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。

憲法第54条第2項

参議院の緊急集会はこの原則の例外です。

両院独立活動の原則

衆議院が法案を審議しているとき、参議院はそれとは別の法案を審議することを認める原則です。
一緒に審議しなくてもいいということです。

例外:両議院協議会

例外として、両議院協議会があります。
両議院協議会は、衆議院と参議院の意思が異なった場合に、その調整をする話合いの場です。

衆議院の優越

当然ですが、両議院の意思が必ず一致するわけではありません。
憲法では国政の停滞を防ぐために、衆議院の優先を採用しています。

なぜ衆議院?

任期が短く、解散制度のある衆議院の方が、より国民意思に近いとされているからです。

優先される事項

  • 法律の議決(59条)
  • 予算の議決(60条)
  • 予算先議権(60条1項)
  • 条約の承認(61条)
  • 内閣総理大臣の指名(67条)

衆議院のみの権能

内閣不信任決議権

内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職しなければならない

憲法第69条
ごり子

参議院の問責決議には69条の効果はないよ。

予算先議権

予算は、さきに衆議院に提出しなければならない。

憲法第60条1項

予算の議決は必ず衆議院から行わないといけません。

衆議院の優先事項

衆議院の再議決(任意的両議院協議会)

2 衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。
3 前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。

憲法第59条2項,3項

両議院協議会はどっちでもいいです。(任意的両議院協議会)
次の条文を見てください。

4 参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つった後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。

第59条第4項

参議院で60日以上議決されないときは、否決とみなすことができます。
つまり59条2項の衆議院による再可決が可能となります。
もちろんみなさなくてもいいです。

予算の議決(必要的両議院協議会)

予算について、参議院で衆議院と異なった議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて三十日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。

必ず両議院協議会を開かないといけません。(必要的両議院協議会)


30日以上議決されない場合は、衆議院の議決最終的な結論になります。
予算は最優先のため、法案と違って自動的に参議院は無視され、衆議院が優先されます。

内閣総理大臣の指名(必要的両議院協議会)

衆議院と参議院とが異なつた指名の議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて十日以内に、参議院が、指名の議決をしないときは、衆議院の議決を国会の議決とする

憲法第67条2項

こちらも必ず両議院協議会を開かないといけません。(必要的両議院協議会)


10日以上議決されな場合は、衆議院の議決になります。
内閣総理大臣の指名も国会の最優先事項です。

優先事項まとめ

      参議院が議決しない期間両議院協議会衆院の先議権
法律案の議決60日(衆院の出席議員3分の2以上で再議決)任意なし
予算30日(衆院の議決で決定)必要あり
条約30日(衆院の議決で決定)必要なし
総理大臣の指名10日( 衆院の議決で決定 )必要なし

まとめ

基本的には衆議院が優先されることになります。

ごり子

読んでくれてありがとう!

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