本記事では
国家議員について
国会議員に与えられる特権について
以上について解説しています。
国会議員とは?
憲法では法律に委任するとしているから、公職選挙法で決まっているね。
ただ任期は衆院4年、参院6年と憲法で決めてるよ。
あと衆院と参院両方の議員になるのも憲法で禁じてる。
憲法が定める国会議員とは?
国会議員とは、選挙された両院を構成する議員を意味します。
両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。
憲法第43条
2 両議院の議員の定数は、法律でこれを定める。
衆議院の定数
憲法の委任を受けて、選挙に関しては公職選挙法で定められています。
衆議院議員の定数は、四百六十五人とし、そのうち、二百八十九人を小選挙区選出議員、百七十六人を比例代表選出議員とする。
公職選挙法第4条1項
定数は465名、小選挙区289名、比例区176名です。
参議院の定数
2 参議院議員の定数は二百四十八人とし、そのうち、百人を比例代表選出議員、百四十八人を選挙区選出議員とする。
公職選挙法第4条2項
定数は248名、比例区100名、選挙区148名です。
国会議員の任期
任期は憲法に定めがあります。
衆議院議員の任期は、四年とする。但、衆議院解散の場合には、その期間満了前に終了する。
憲法第45条
衆議院議員は任期4年ですが、解散制度があるため必ずしも任期満了できるわけではありません。
参議院議員の任期は、六年とし、三年ごとに議員の半数を改選する。
憲法第46条
参議院議員は任期6年で、解散制度はなしです。
3年ごとのにとあるのは、参院は緊急集会制度があるため、議院を空にはできなからです。
定数の半分ごと選挙を交互に行っています。
兼任の禁止
何人も、同時に両議院の議員たることはできない。
憲法第48条
衆議院と参議院は兼業できません。
また他の公務員、例えば官僚と国会議員も兼業できません。
国会議員の特権
不逮捕特権、免責特権、歳費受領権があるよ。
3つの特権
国会議員にはその職務を遂行するために3つの特権が認められています。
- 不逮捕特権
- 免責特権
- 歳費受領権
不逮捕特権:会期中は逮捕されない
その名の通り逮捕されないという特権です。
50条をみてください。
両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。
憲法第50条
国会議員は会期中逮捕されないだけでなく、会期前に逮捕されても、所属する議院が求めれば釈放されます。
- 議員の身体の自由を保障することで、政府が議員の職務遂行を妨げることがないようにするため
- 議院の審議権を確保するために必要だとされます。
不逮捕特権の例外
各議院の議員は、院外における現行犯罪の場合を除いては、会期中その院の許諾がなければ逮捕されない。
国会法第33条
- 院外(会議する場の外)における現行犯逮捕の場合
- 議院の許諾がある場合
このような場合は会期中でも逮捕されます。
免責特権:職務上の発言なら責任が免除される
議員は発言や表決については、院外で責任を問われません。
両議院の議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問はわれない。
憲法第51条
「演説、討論、評決」といった職務上の発言であれば、責任を問われることはありません。
刑事責任、民事責任両方とも免責されます。
自由な討論こそが国家の利益とされているからです。
つまり名誉毀損されても国家賠償を請求できない
こういった事件ありましたよね。
でも国会議員がその職務上で行った発言に対して、原則損害賠償請求はできません。
被害者は泣き寝入りです。
もちろん虚偽と知ったうえで、貶める目的での発言であれば損害賠償も認められるでしょう。
非常に稀なケースです。
野次や私語は免責されない
野次や私語のように職務に必要ではない、正式な発言として認められないものに関しては免責されません。
歳費受領権:国会議員として必要な歳費を受け取る
両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける。
憲法第49条
国会議員の給料のようなものです。
給料欲しいなら言うことを聞けと、行政から言われないために特権とされています。
法律の定めるところによりなので在任中に減額もあり得ます。
裁判官の報酬は在任中減額されませんので、間違えやすいところです。
おわりに
この記事が憲法学習のお役に立てれば幸いです。
読んでくれてありがとう!
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