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【憲法】自律権?国政調査権?議院の権能についてわかりやすく解説!

この記事は約5分で読めます。

本記事は

  • 議院の権能について
  • 議院の自律権について
  • 国政調査権とはなにか
  • 国政調査権と司法権の関係について

以上に関して解説しています。

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議院の権能

luxstormによるPixabayからの画像
ごり丸
ごり丸

議院と国会って何が違うの?

ごり子
ごり子

国会の権能は原則として両院の一致で行っていたでしょ。
それとは別に衆議院、参議院それぞれが単独でも認められることがあるの。

ごり丸
ごり丸

具体的には?

ごり子
ごり子

自分たちのルールを決める、それで運営する自律権や必要な情報を得るための国勢調査権があるよ。

議院の自律権

自律権は、他機関から干渉を受けずに、自主的に内部組織や運営に関して判断できるとした権利です。

内部組織に関する役員の選任権議員の資格争訟裁判権

運営に関する議院規則制定権議員懲罰権などが挙げられます。

役員の選任

次の条文を見てください。

両議院は、各々その議長その他の役員を選任する。

憲法第58条第1項

衆議院なら衆議院議長その他の役員を選任することができ、参議院は参議院議長その他の役員を選任することができます。

議員の資格争訟裁判

憲法の55条を見てください。

両議院は、各々その議員の資格に関する争訟を裁判する。但、議員の議席を失はせるには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。

第55条

ようするに議員としての資格があるかどうかを判断できるというものです。
資格というと何か能力で測るように思えますが、ちょっと違います。

  1. 国籍・年齢などの被選挙権があるかどうか
  2. 禁じられた兼職をしていないか(議員と知事のように)

このように議員の資格は法律で定められています。

出席議員の3分の2以上の多数決で決める

裁判という形をとりますが、議員の議席を失わせるには、出席議員の3分の2以上の多数決が必要です。

また議院での議決が最終決定になるため、議席を失ったからと言って通常裁判所に助けを求めることはできません。

議院の規則制定

議院規則制定権については第58条第2項を見てください。

両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定め…..

第58条第2項

衆議院は衆議院規則を、参議院は参議院規則を定めることができます。

議員の懲罰

議員懲罰権は議院規則制定権の続きにあります。

…..又、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。但し、議員を除名するには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。

第58条第2項

議員の資格争訟との違いは

  • 他の議員を侮辱する(国会法120条)
  • 正当な理由もなく欠席する(同124条)
  • 議院の秩序をみだし又は議院の品位を傷つける(衆議院規則245条)

上記の例のように、議員自身ではなく議員の行動に焦点が当てられています。

議員の免責特権で免責されても懲罰の対象になりえます。

懲罰の種類

国会法では

  • 公開議における戒告
  • 陳謝
  • 登院停止
  • 除名

この4つを定めています。

議員を除名する場合は、出席議員の3分の2以上の多数決が必要です

これらの懲罰に関して、その違法性を通常裁判所で争うことはできません。

国政調査権

Gerd AltmannによるPixabayからの画像
ごり丸
ごり丸

国政調査て国勢調査とは違うんだよね。

ごり子
ごり子

そうだよ!
国政調査は議院がその役割を果たすために情報を集める強力な権利だよ。

ごり丸
ごり丸

なんでも調査できるってこと?

ごり子
ごり子

その点に関しては争いもあるんだけど、基本的には司法権には介入できないね。
とくに裁判中の事件や判決後について、批判的な調査はゆるされないよ。
ただ裁判所と全く違う観点からなら許されることもあるけどね。

国政調査と国勢調査は別物

たまに書いてくださいと言われる国勢調査と議院の国政調査は別物です。
国勢調査は統計を取るアンケートのようなものですが、国政調査は的確な政治を行うために必要な情報を調査することをいいます。
次の条文を見てください。

両議院は、各々国政に関する調査を行ひ、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。

第62条
  • 証人とは、知識や経験を持っている人です。
  • 証言とは、証人が述べた内容です。
  • 記録とは、関わる全ての書類を指します。

国政全般に強い権限(政府や財政に対する統制など)もつ国会が、こうした役割を果たすためには十分な調査や情報が必要であり、国政調査権として認められています。

法的性質

国政調査権を法的にどう捉えるのかによって、その権利が及ぶ範囲が変わってしまいます。
そのため学説では

  • 憲法が国権の最高機関である国会に認めた独立の機能とする独立権能説
  • 国権の最高機関とはあくまで政治的美称であるので、あくまで国会の権能を実行するための補助機能だとする補助的権能説(通説)

この独立権能説と補助的権能説による争いがあります。

浦和事件.1949

将来に悲観した母親が3人の子供を殺害してしまった事件です。
裁判所は執行猶予付きの判決を下しますが、これに参議院法務委員会が量刑は不当であるとの決議を行ったのです。

この時国政調査として、被告人等を証人として呼ぶ、裁判所に文書での回答を求めるなどの調査を行っていました。

裁判所はあくまで国政調査権は補助的機能であり、具体的な裁判での量刑を批判し、司法を指揮監督しようとする行為は、司法権の独立を侵害すると主張します。

これにたいして法務委員会は、国政調査権を司法を含む国政全般を調査できる独立機能であると反論しました。

学説上ではこの裁判所の判断を支持しているとされます。

しかし国民の知る権利を保障するという観点からは、一定の権利を国政調査権に認めざる得ないとも考えれています。

司法権との関係

国政調査権は、司法権の独立を保障するために一定の制限を受けます。

現に進行中の事件における裁判官の争訟指揮についての調査したり、裁判内容を批判するための調査をしたりすることは許されないとされます。

また判決後でも、将来同様の判決に影響を与えるため判決内容の調査は許されないです。

例外

現に進行中の事件に関する調査であっても、立法目的や行政監督目的など、議院が裁判所と異なる正当な目的から、裁判と並行調査することは許されると考えられています。

検察権との関係

検察権の行使も行政作用であるため、国勢調査の対象となるはずです。
ただし、裁判と密接にかかわる作用でもあるため、司法権に準ずる独立性が認められるべきでもあります。

そのため政治的圧力を加える目的での調査などは認められないと考えられています。

憲法
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