【政教分離原則】津地鎮祭事件(つじちんさい)をわかりやすく解説!

この記事は約4分で読めます。
ごり丸
ごり丸

津地鎮祭事件ってどんな判例?


「津地鎮祭訴訟事件」は三重県津市で市立体育館建設の際に行われた地鎮祭をめぐり、その公金の支出が日本国憲法第20条・89条に反するのではないかと争われた事件です。

詳しく見ていきましょう。

結論、目的が世俗的で、効果も神道を援助、助長したり、他の宗教に圧迫、干渉を与えるものではないから、宗教的行事とはいえず、政教分離原則には違反しないとされました。

スポンサーリンク

事件の経緯

地鎮祭(じちんさい、とこしずめのまつり)とは?

工事着工前の儀式です。
家を建てる前にやるようなやつです。

なぜやるの?

地鎮祭には2つの意味があるそうです。

  • 1つ目は、その土地に住むとされる神様を鎮め、土地を使うことへの許可をもらうため。
  • 2つ目は、工事の安全と、家の繁栄を祈願するため。

神式と仏式などいくつかのパターンがあります。

ごり子
ごり子

特定の宗教儀式というよりかは文化的要素が強い行事なのかな

地鎮祭は宗教行為か?公的機関が行うことの是非が問われた

三重県の津市で新しい体育館の建設計画が進められていました。
市は建物を建てる前にはお祓いが必要と考え、神社に地鎮祭をお願いします。

建設の起工式当日、市の職員が式典の進行係となり、神社の宮司が神式に則って地鎮祭を行いました。(ちょっとしたイベントみたいに)


市長は神社に対して公金から挙式費用金7,663円(神職に対する報償費金4000円、供物料金3663円)を支払います。

しかし、この支出に、ある津市議会議員が「政教分離原則に違反するのでは?」と疑問を投げかけます。

議院は地方自治法第242条の2(住民訴訟)に基づき、損害補填を求めて出訴します。


一審で原告の請求棄却。
二審では原告勝訴。

最終判断は最高裁へと持ち込まれました。

争点

日本国憲法には政教分離に関して以下の規定があります。

いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。

憲法20条3項

公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

憲法89条

今回の支出は、上記の規定に違反する行為ではないかと争われました。

結論

最高裁は2審の違憲判決を覆し、政教分離原則違反する行為ではないと判断

また最高裁は

政教分離原則の性格が制度的保障
②国と宗教の分離の程度は相対的
③その判断は目的効果基準で決める

ともしました。

ごり子
ごり子

制度的保障とは、制度(立法)を作ることで間接的に人権を守るというもの。
人権侵害からの盾になる制度みたいな感じだよ。

人権侵害→🛡制度:人権

ごり丸
ごり丸

国が特定の宗教をエコひいきしないことは、信教の自由を守っていることにつながるね!


高裁・最高裁で「政教分離原則」への意見が分かれた!

最高裁と高裁で、「政教分離原則」をどう捉えるか意見が分かれました。
両者とも「制度的保障」であることは認めつつも

高裁は広く認めた

「信教の自由は政教の分離なくして完全に確保することは不可能」

禁止される「宗教活動」の範囲を広く設定した!

最高裁はほどほどに認めた

「国家と宗教との分離を制度として保証することにより、間接的に信教の自由を保障を確保しようとするもの」


信教の自由とは区別!
政教分離には一定の限界あり!
禁止される「宗教活動」を限定的に解釈、相対的なものとした。

相当な限度を超えるものが禁止される

最高裁は禁止される「宗教活動」を「相当とされる限度を超えるもの」としました。


つまり

  • 行為の目的が宗教的意義を持つ
  • その効果がその宗教を援助、助長促進する
  • もしくは他の宗教を圧迫、干渉する

上記のような行為を禁止しているとしました。

判断は形式にはとらわれない

ではどう判断するのか?
最高裁は以下のように説明。

主宰者や、式自体の外面的な形式で決めるのではなく(宗教者主宰、宗教的な形式だからダメとはならない)

  • 行為の場所
  • 一般人から見た宗教的評価
  • 行為者の意図
  • 宗教的目的かどうか
  • 宗教的意識があるか
  • 一般人への影響

などなど諸事情を考量して、社会通念したがって客観的に判断するとしました。

ごり子
ごり子

前項の説明を合わせて、このような考え方を目的効果基準というよ。

津地鎮祭は禁止される「宗教的行為」ではない

最高裁は、本事件での神式の地鎮祭は、目的も世俗的で、効果も神道を援助している訳でもない。

また、他の宗教を圧迫しているものでもないので、宗教的行事とはいえず、政教分離原則に違反しないとしました。

ごり子
ごり子

とはいえ、5名の裁判官はこれとは反対の意見を表明したよ。
もっと厳格にするべきって。

批判も多い判決だったね。

 

 

判例
スポンサーリンク
Study Gorilla

コメント