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よど号ハイジャック新聞記事抹消事件をわかりやすく解説!【憲法判例】

最大判昭58.6.22

公務執行妨害などで勾留されていた被疑者が、新聞を定期購読していたところ、『よど号ハイジャック事件』に関する記事を所長が黒塗りにして配布。
『知る権利』の侵害ではないかと争われた事件。

詳しく見ていきましょう。

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事件の経緯

新左翼による事件で逮捕

ときは1969年。

10月に国際反戦デー闘争、翌月に佐藤首相訪米阻止闘争と呼ばれるデモが行われました。

ごり子
ごり子

近代日本史上最大の逮捕者を出した事件だよ。
国際反戦デー闘争が1594人で過去最大。
翌月に佐藤首相訪米阻止闘争で2500人を超えてすぐに塗り替えられたよ。

Xらはこの事件で逮捕され、東京拘置所に勾留されていました。

私費で購読していた新聞が黒塗りに!人権侵害か?

Xらは勾留中も、私費で新聞を購読していました。


そんななか1970年3月、日本初のハイジャック事件『よど号ハイジャック事件』が発生します。

ごり子
ごり子

共産主義者同盟赤軍派のグループが飛行機を乗っ取って、北朝鮮に亡命した事件だよ。
亡命は成功し、日本政府はハイジャック防止法を新たに作ることになったよ。



拘置所長はこの事件が載った記事を黒塗りにすることを命じました。
監獄法31条2項が委任する監獄法令を基にした判断です。

第三十一条 被収容者文書、図画ノ閲読ヲ請フトキハ之ヲ許ス
2 文書、図画ノ閲読ニ関スル制限ハ法務省令ヲ以テ之ヲ定ム

監獄法31条


これにXらは、本処分は憲法が保障する『知る権利』を侵害するものだとして、国を相手取り国家賠償請求訴訟を提起しました。

ごり丸
ごり丸

新聞くらい自由に読ませてほしい!

争点

  1. 新聞や図書などの閲覧の自由(閲読の自由)は憲法上保障されているのか?
  2. 監獄法31条2項の合憲性は?
  3. 本処分はどのような場合であれば適法となるのか?
    監獄所長の裁量について

判決

黒塗りとした記事の抹消処分は合憲!

未決勾留者は必要な範囲で自由を制限されることを免れない

そもそも未決勾留というのは、刑事訴訟法の規定に基づき、逃亡または罪証隠滅の防止を目的とするものです。

ごり子
ごり子

何かしらの罪を犯したとして逮捕されたとしても、裁判所で裁いてもらう権利があるよね。
そこで有罪が確定するまではまだ無罪の可能性もある。
でも自由にすると逃げたり、証拠を隠滅したりしてしまうかもしれないから、拘置所などに入って監視されるわけ。


最高裁は

『その限度で身体的行動の自由を制限されるのみならず、前記逃亡または罪障隠滅の防止の目的のために必要かつ合理的な範囲に置いて、それ以外の行為の自由をも制限されることを免れない』

としました。

『閲読の自由』は当然憲法上保障される

新聞や図書などの閲覧の自由(閲読の自由)は憲法上保障されているのか?
当然保障される。

思想及び良心の自由の不可侵を定めた憲法19条
表現の自由を保障した憲法21条
⇧上記規定の趣旨、目的から、その派生原理として認められるべきとしました。

思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

憲法19条

集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

憲法21条



もちろん、保証はされますが、絶対的というわけではありません。
合理的な制限であれば、憲法上認められることになります。

閲読の自由を制限する場合の合憲性の判定基準とは?


違憲となりえる場合
⇨『監獄内の規律や秩序が害される一般的、抽象的なおそれがあるというだけ』

合憲となる場合
⇨『被拘禁者の性向、行状、監獄内の管理、保安の状況、当該新聞紙、図書等の内容その他の具体的事情のもとにおいて、その閲読を許すことにより』

  1. 監獄内の規律および秩序の維持上放置することのできない程度の障害が生ずる相当の蓋然性があると認められることが必要
  2. さらに『制限の程度は、⇧の障害発生の防止のために必要かつ合理的な範囲にとどまるべきものと解するのが相当である。』
ごり子
ごり子

蓋然性はガイゼンセイと読むよ。
確実性の度合いを表す言葉だよ。
蓋然性があるということは、確実性が高いということだね。

まとめ

ざっくり言えば、制限しないといけないような危険性がはっきりあると言える時には、監獄長の判断で合理的な範囲でいいよってことです。

合憲性の判断基準としては厳格なものではありますが、合理的であればなんでも通ってしまうとも取れますよね。

基準が厳しくても運用面ではわりと自由が利きそうな判例でした。

 

 



判例
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