八幡製鉄事件では、会社の政治資金の寄付の自由が認められました。
一方で、強制加入団体である税理士会による政治献金事件では、法人の目的外として認められませんでした。
今回はこの「南九州税理士会政治献金事件」を解説します。
✓業界に有利な法改正のため献金するよ!会費お願いね!
✓拒否したい人出る
✓処分される
✓強制加入団体が政治献金を集めるためにした会費徴収決議は無効と判決
事件の経緯
強制加入団体の政治献金が問題に
税理士として認められるには、税理士会に入らないといけません。
その税理士会で、税理士法を業界に有利に改正できないかと考えから、政治献金をしようとする動きが出ました。
もちろん財源が必要なため、特別会費として5000円を徴収する決議を行いました。
これを税理士法改正運動に反対していたXは不満げ、断固拒否します。
税理士会は処分を決定。
役員選の選挙権と被選挙権を抹消します。
そこでXは政治団体への寄付は税理士会の目的の範囲外と考え、強制的に会費を調整すること自体、思想信条の自由を侵害しているから無効ではないかと出訴しました。
争点
政治資金の寄付は税理士会の目的の範囲内か?
判決
政治献金は目的の範囲外
- 税理士会が政党などの政治団体に寄付をすることは、税理士会の目的の範囲外の行為
- 寄付のために会員から特別会費を徴収する決議は無効である
目的は定款に定められたものだけに限定されないが、税理士会は会社とは違い、同じに考えることはできないとしています。
献金は投票の自由と表裏一体
税理士会は強制加入団体です。
裁判所は、政治団体への寄付をするかどうかを、選挙における投票の自由と表裏一体なものとし、会員個人が自主的に判断するべきだとしました。
強制加入っていうところが問題になったね。
群馬司法書士会事件では条件がちがうことから認められたよ。
読んでくれてありがとう!
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