【判例】加持祈祷事件をわかりやすく解説!

この記事は約3分で読めます。

宗教は歴史上、弾圧の対象となりやすい存在でした。
そういった反省から近代以降は宗教の自由が求められてきました。

しかし、行き過ぎた自由も問題です。
本件では宗教行為の結果死者がでることになり物議をかもすことになります。


それでは詳しく見ていきましょう。

✔宗教上の行為はどこまで許されるかが焦点となった事件です

✔宗教行為の中で死亡者が出た場合、それを刑法で裁くことの是非とは?

✔宗教行為といえど、処罰は違法ではないとされました

スポンサーリンク

事件の経緯

b0redによるPixabayからの画像

真言宗の僧侶Xは加持祈祷を生業としていました。
被害者Aの母は、異常な言動をするようになったAの病を治すのため、Xに加持祈祷の依頼をします。

Xは約1週間にわたり、Aにお経をあげ、数珠じゅずで頭をなでるなどしますが、一向にAはよくなりません。

これをXは、狸が取り付いているからだと解釈し、 狸を追い出すために線香護摩せんこうごまによる加持祈祷を行うことを思いつきます。

ごり子
ごり子

護摩は火を使う儀式だよ。

線香護摩だから線香を燃やしながら祈祷するのかな?

Aの近親者に見守られながら、Xは線香護摩による祈祷をA宅ではじめました。
これで狸が追い出せるはずでしたが、線香が焚かれるにつれてAがその熱気にもがき、暴れ始めてしまいます。

Xは近親者にAの身体を取り押さえさせ、嫌がるAを、無理やり燃え盛る護摩壇の線香の火にあたらせました。
さらにXは「ど狸早く出ろ」などと怒号しながらAののどを線香の火でけむらせ、背中を殴りつけます。


加持祈祷開始4時間がたった後、Aは急性心臓マヒにより帰らぬ人となりました。

Xは、傷害致死罪(刑法205条)で起訴されます。

争点

宗教的行為として加持祈祷を行い、その結果として被害者を死に至らしめた場合に、これを処罰することは信教の自由の侵害ではないか?

信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。

2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。

3 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

憲法第20条

この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

12条

身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、3年以上の有期懲役に処する。

刑法205条

結論

処罰は違憲ではない

最高裁は、憲法20条1項が信教の自由を何人に対しても保障していることを認めつつも
12条が定めるように権利の濫用はしてはならないのであって

信教の自由の保障も絶対的無制限のものではないとしました。

Xの行為が宗教行為としてなされたとしても

刑法205条に該当するものとして処罰しても違憲とはならないとしました。

ごり丸
ごり丸

おわり。

 

 

コメント