神戸高専剣道実技拒否事件|エホバの証人剣道受講拒否事件【憲法判例】

エホバの証人の信徒である学生が剣道の授業を拒否
学校は代替え措置認めず、留年&退学へ
裁判所はこの処分を違法なものとした

目次
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事件の概要

エホバの証人は格闘技をしない

輸血拒否や格闘技に参加しないことでもしられています。

わたしたちは何をするにも,私心のない愛を示そうと努力しています。(ヨハネ 13:34,35)輸血をして血を誤用することなど,神が喜ばれない行ないを避けます。(使徒 15:28,29。ガラテア 5:19-21)平和を求め,戦争には加わりません。(マタイ 5:9。イザヤ 2:4)自分が住んでいる国の政府に敬意を払い,神の律法に反することにならない限り,その国の法律に従います。―マタイ 22:21。使徒 5:29。

エホバの証人HP

宗教上の理由から剣道の受講を拒否

1990年、神戸市立工業高等専門学校に「エホバの証人」の信者5名が入学しました。


この年から同校は、体育科目の1つとして格技である剣道の科目を新たに開講します。


「エホバの証人」はキリスト教系の新宗教であり、格技とその絶対平和主義の教義は相いれません。
5名の生徒は剣道の履修を拒否します。

もちろんただ拒否しただけではありません。
病気などの理由で体育ができない生徒と同様に授業を見学した上でのレポート提出で授業への参加としてほしいと体育教師に願い出ます。


しかしそれが認められることはありませんでした。
校内規定により、5名は原級留置処分(留年)を受けます。

翌年、3名は進級。
1名は退学に。
そして原告となる生徒Xは再度留年となります。

同行規定には、2年連続留年の場合に退学を命じることができるというものがありました。
Xは退学処分を命じられます。


そこで、Xは、留年処分や退学処分は憲法20条1項に違反するものであると主張して、処分取り消しを求める行政事件訴訟を提起しました。

争点

信教の自由を理由に行った行動に対する本校の処分は、信教の自由の侵害となるのか?
学校が特定の信教を信仰する生徒に対して代替え措置など特別な措置を取ることは、政教分離原則に違反しないか?
校長の代替え措置を一切認めずに行った退学処分は裁量権の逸脱ではないか?

結論

裁判所は本処分を、裁量権の範囲を超える違法なものと言わざるをえないとしました。

処分自体は校長の合理的な教育的裁量による

裁判所は、退学や留年などは、校長の合理的な裁量の委ねられるとしたうえで

その裁量権行使が全く事実の基礎を欠くか、または社会観念上著しく妥当を欠き、裁量権の範囲を超え、又は裁量権を濫用したと認められる場合のみ、これを違法と判断するとしました。

ごり子

裁量でOKだけど、あんまりひどいとだめって感じだね。

ごり

退学とか留年て大ごとだし、できるだけ慎重に決めてほしいね。

代替え措置は政教分離に反しない

裁判所は
代替え措置として、他の体育実技やレポートの提出などを求めたうえで、それを評価することが、宗教的意義を持つとは言えない。


また、特定の宗教を援助するものでも、他宗教や無宗教者を圧迫し、干渉するものとも言えない。


よって代替え措置が、憲法20条3項に違反するものとははならいと判断しました。

国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

憲法20条3項

政教分離原則とは、国や公共団体が特定の宗教を援助・助長することを禁じるルール。

本処分は裁量権を超えた違法なもの

信仰上の履修拒否を、正当な理由のない履修拒否と区別もしない。

代替え措置が不可能というわけでもない。

それなのに、代替え措置を十分に検討もしていない。


そんななかでの、留年、退学処分は裁量権の範囲を超えた違法なものと言わざるをえないしました。

ごり子

読んでくれてありがとう!

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