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【憲法判例】エホバの証人輸血拒否事件をわかりやすく解説!

エホバの証人輸血拒否事とは?

宗教上の理由から輸血を拒否したエホバの証人(宗教団体)の信者が、手術の際に無断で輸血を行った医師、病院に対して損害賠償を求めた事件です。

重要判例です。

詳しくみて見ましょう!

  • エホバの証人輸血拒否事件の概要
  • 信仰に反する医療行為への損害賠償
  • 自己決定権と命
  • 説明がなかったことが問題視された
  • ちゃんと説明聞いて本人が判断するべき
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事件の概要

エホバの証人

唯一神エホバ(ヤハウェ)を崇拝する、キリスト教系の宗教組織。

わたしたちは,唯一まことの全能の神であり創造者である方を崇拝しています。その名はエホバです。(詩編 83:18。啓示 4:11)アブラハム,モーセ,そしてイエスもその方を神として崇拝していました。―出エジプト記 3:6; 32:11。ヨハネ 20:17。

エホバの証人HP


輸血拒否や格闘技に参加しないことでもしられています。

わたしたちは何をするにも,私心のない愛を示そうと努力しています。(ヨハネ 13:34,35)輸血をして血を誤用することなど,神が喜ばれない行ないを避けます。(使徒 15:28,29。ガラテア 5:19-21)平和を求め,戦争には加わりません。(マタイ 5:9。イザヤ 2:4)自分が住んでいる国の政府に敬意を払い,神の律法に反することにならない限り,その国の法律に従います。―マタイ 22:21。使徒 5:29。

エホバの証人HP

輸血拒否事件

エホバの証人信者であったAさんは、教義に従い生命の危機があるときでも輸血を拒否するという信念を持っていました。


1992年、Aは悪性の肝臓血管腫(肝臓がん)であるとの診断を受けます。
診断を受けた病院では、輸血なしでの手術はできないとの説明をされ、輸血なしで手術可能な病院、医師を探していました。


エホバの証人の教義に理解のある医師を紹介する教団内の医療機関連絡委員会は、輸血せずに手術を行った経験のあることで知られた医師Bに治療を依頼した。

医師Bから、がんが転移さえしなければ輸血なしでも可能である旨を伝えられ、AはBのいる病院(東京大学医科学研究所附属病院)に入院します。

入院後、医師C、Dの2名がAの主治医につきました。

主治医となったCはAに対して少量の輸血、自己輸血の可能性を提案するも、Bはこれを拒否します。


後日、もう一人の主治医DはBに対して

「手術には突発的なことが起こるので、そのときは輸血が必要です」「輸血をしないで患者を死なせると、こちらは殺人罪になります。やくざでも、死にそうになっていて輸血をしないと死ぬ状態だったら、自分は輸血します」と説明するも

Bは

「死んでも輸血をしてもらいたくない、そういう内容の書面を書いて出します」

と答えました。


同病院では、相対的輸血拒否、患者の意志を尊重して極力輸血を行わないが、輸血以外には救命手段がない場合は患者およびその家族の許諾の有無にかかわらず輸血を行うという方針を取っていました。

そのため、手術前にはあらかじめ血液の準備がなされていました。


医師BはAの夫と息子に手術前に説明を行います。

この際「医師の良心に従って治療を行う」と輸血の可能性について言外に(間接的に)示そうとしました。
説明を聞いたAの息子は、Aが輸血を受けられないこと、輸血をしなかったために生じた損害に関して医師および病院職員などの責任を問わない旨とAの署名を記載した免責証書をBに手渡す。

Bはこれを「わかりました」と受け取り、同席していたCたちに渡します。


Aに対する手術が可能な限り輸血はしない方針でB、C、Dらによって行われます。
しかし、腫瘍を摘出した時点で出血が多量となり、Bらは輸血をする以外にAの命を救うことができないと判断して輸血を行いました。

手術は成功します。


Aは退院したあと、絶対的輸血拒否特約(何があっても輸血しないという約束)に反して輸血を行った国(病院が国立であったため)を提訴します。(途中でAは故人となり家族が引き継いだ)

債務不履行責任、輸血の可能性についての説明義務違反が問われました。

争点

信仰上の理由から輸血を拒否していたのに無断で輸血された!

患者の人格権(自己決定権)を侵害しているのではないか?

結論

ごり子
ごり子

第一審では原告の請求を棄却されたけど、第二審で原告の請求が一部認められて、B、C、Dおよび国に対して55万円の支払いを命じる判決が出たよ。
最高裁は2審を支持したよ。

事前の説明がなかった

最高裁は

手術の際に輸血以外には救命手段がないと判断し場合に、輸血する方針であると説明し、このまま手術を受けるかどうか、Aに判断させるべきであったとしました。

B、C、Dが輸血の可能性を認識しながらも、事前に明確な説明をしなかった点を重要視したのです。

するかしないかの意思決定権を奪っている

最高裁は、医師が、説明を怠ったことにより
Aが輸血を伴う可能性がある手術を受けるかどうかの意思決定権が奪われた

この点においてはAの人格権を侵害したものといえ、Aの被った精神的苦痛を慰謝するべき責任を負うとしました。

B、C、Dの説明義務違反によるAの自己決定権の侵害および、国の使用者責任を認めました。

ごり丸
ごり丸

とはいえ、命の方が大切なんじゃ、、、

ごり子
ごり子

それはそうなんだけど、それなら手術前に「危険な状態なときは輸血します」ってはっきりと説明しないといけないってことだよ

ごり丸
ごり丸

それで嫌なら転院させればいいってこと?
難しい判断だね

インフォームドコンセントとは?

インフォームドコンセントとは、患者・家族が病状や治療について十分に理解し、どのような医療を選択するか、しっかりと判断してもらうためのプロセスをいいます。

正確な情報共有を得た患者の合意を意味します。


患者の知る権利、自己決定権、自律の原則を尊重する行為であることが根底にあります。

おわり

本判決では尊厳死とも関連する自己決定権をも認めました。

「人はいずれは死すべきものであり、その死に至るまでの生きざまは自ら決定できるといわなければならない」

非常に印象的な判例です。

 

 

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