本記事では
- 基本的人権の享有とは?
- 基本的人権の分類
- 人権の性質
以上に関して説明しています。
基本的人権の享有とは?
基本的人権とは、人が人として当然に認められる権利の総称です。
次の条文を見てください。
国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
日本国憲法第11条
享有とは?
生まれながら持っていることを意味します。
当たり前のものってことですね。
人権と歴史
生まれた時から本能で「自由って大切だ、人類は皆平等」なんて思いませんよね。
あくまで人権は人類の努力によって作られたものです。
具体的には、18世紀頃から始まった近代革命(フランス革命やアメリカ独立戦争等)によってその概念は形成されました。
始まりはイギリスのマグナ・カルタ(1215年)とも言われているよ。
次いでアメリカ独立戦争ではヴァージニア憲法(1776)
フランス革命ではフランス人権宣言(1789年)により
人権の概念が作られていったんだよね
この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。
憲法第97条
基本的人権の分類
基本的人権
- 自由権・・・自分の考えを表現したり、好きな宗教を信じたりできる。18世紀に主張。
- 参政権・・・選挙にでたり、投票できる。19世紀に主張。
- 社会権・・・最低限の教育や医療を保証してもらえる。20世紀に主張。
- 国務請求権・・・裁判を受けたりできる。受益権ともいわれる。
ちなみにこの分類は絶対ではありません。
自由権と社会権両方の要素をもつ場合などもあります。
憲法に直接明言がない、新しい人権というものもあるよ。
プライバシー権とか
制度的保障
制度的保障とは、制度を保証することで間接的に人権を守っている規定のことです。
たとえば、日本は信じる宗教を自由に選ぶ権利(信教の自由)を保証していますよね。
でも、もし、ある日突然に
日本政府は○○教を国教とすることに決めました。
今日から行事などは教義(宗教の教えの内容)に従います。
でも国民の皆さんは自由でいいですよ
と言われても、信教の自由は形式的にしか守られていませんよね。
このように政治と宗教を切り離す(政教分離原則)規定を保証することによって、間接的に信教の自由を保障しているのです。
昔は人権を法律で制限(法律の留保)することができたから
制度的保障のような理論ができたよ
人権の性質
人権の性質を細かく見ると、固有性、不可侵性、普遍性の3つに分けることができます。
固有性
人権は国家がくれたから持っているのではなく、人間だから当たり前にもっているものです。
これを人権の固有性といいます。
不可侵性
11条で人権を「侵すことのできない永久の権利」と表していました。
人権は基本的には公権力によって干渉されません。
これを人権の不可侵性といいます。
もちろん、人権を盾にすればなんでもできるって意味ではないからね
普遍性
人権は差別を許しません。
人種や性別、社会的身分とは関係なく人権は存在しています。
これを人権の普遍性といいます。
全部じゃないけど法人にも人権は認められるよ
まとめ
- 人権は当たり前に持っているもの
- 近代革命で誕生
- 固有性、不可侵性、普遍性を持つ
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読んでくれてありがとう!
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