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【判例】塩見訴訟をわかりやすく解説!(外国人と生存権)

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本記事は塩見訴訟について解説しています。

  • 憲法第25条は、国家の義務ではない
  • 福祉政策において、在留外国人より自国民を優先することは合理的な区別
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事件の経緯

帰化しても国籍条項の対象となるの?

Xは、1934年、朝鮮人夫婦のもとで大阪市に生まれ、2歳の頃に麻疹にかかり両目の視力を失っていました。
失明の度合いは、当時の国民年金法(1954年改正)別表で定める1級に相当する程度の状態にありました。

出生時は日本国籍を保有していましたが、日本の敗戦に伴う、1952年のサンフランシスコ講和条約発効により、日本国籍を喪失し韓国籍に。
その後、1970年に日本へ帰化し、日本国籍を取得します。

1972年、Xは国民年金法81条1項に基づく、障害者福祉年金の受給資格者であるとして、大阪府に対して受給権の裁定を請求しました。

しかし、裁定は大阪府知事により却下されます。
国民年金法に定められた国籍条項が理由でした。(国民年金制度が創設された1959年11月1日当時に外国籍であったため)

Xは却下取り消しを求めて提訴します。

ごり子
ごり子

国籍条項は現在では削除されているよ。

争点

  • 国民年金法が定める国籍条項は、憲法25条に違反するか

  すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

憲法第25条

判旨

国籍条項は第25条に違反しない

一審、二審とも請求を棄却されます。
Xは最高裁に上告しますが、これも棄却され、敗訴が確定しました。
国籍条項自体を第25条違反とはいえないとしています。

財源が限られる以上、自国民を優先することは許されるべき

最高裁は理由として

  • 第25条は国の義務規定ではない、あくまで責務を宣言したに過ぎない
  • 財政を無視できない以上、立法府には広い裁量に認められる
  • 在留外国人の社会保障は、特別の条約がない限りは政治判断で決める
  • 財源が限られる以上、社会的給付において、在留外国人より自国民を優先すること自体は許されるべき

以上のように堀木訴訟を踏襲し、上告を棄却しています。

第14条法の下の平等にも違反しない

14条は、合理性のない差別を禁止するものです。
社会福祉政策において、日本国籍がある者とそうでない者との間の区別は合理性がある限り違反とは言えないとしました。

難民条約批准により国籍条項は削除

難民の地位に関する条約、通称難民条約に批准したことにより、国籍条項は削除されました。
しかし過去の遡って認められたわけではなく、Xは再度提訴しますが、敗訴しています。

まとめ

福祉政策は国家の義務とまではされません。
財源という限られたお金でやりくりする以上、なんでもできるわけではないからです。
社会的福祉においては、日本国籍をもつものと、もたないものの扱いを変えても平等原則に違反しないのです。

厳しい判決ですが、この判決が覆るのはまだまだ先になりそうですね。

ごり丸
ごり丸

おわり。

 

 

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